REPORT

SONG OF THE EARTH 311 -FUKUSHIMA 2022-レポート 後編

REPORT 2022年SOTE311福島後半レポート 昨年3月、東日本大震災から10年の節目にスタートした「『福島、その先の環境へ』シンポジウム」。今年は、午前にSOTEシンポジウム(招待制)、午後に環境省主催の一般参加型シンポジウムの二部構成で行われました。午前中に行われたSOTEシンポジウムの様子をレポートいたします。 2021年3月12日に初めて開催したSOTEシンポジウムは、その後、福島県内4箇所を始め、東京、熊本、長野など全7会場を巡って開催いたしました。毎回、テーマに沿ったゲストにご登場いただき基調講演を聴講、その後講演内容を踏まえながら、数名ずつのテーブルに分かれてディスカッションを行います。テーブルディスカッションでは、グラフィックレコーディングという手法を取り入れ、話し合った内容を即座に絵におこしていきます。絵や文字でし可視化することで、深い振り返りができるとともに、他のテーブルのディスカッションの様子も共有することができます。 今回のSOTEシンポジウムは、「311から12年。今から始めるアクションとは?」がメインテーマ。まずは、ヤフー株式会社西田修一氏の基調講演から。同社が具体的に取り組んできた311からのアクションをご紹介いただきました。 基調講演「ヤフーと3.11〜発災10年のその後〜」 西田修一氏 「東日本大震災後、ヤフーはさまざまな被災地支援を実施してきました。2011年には<復興デパート>として、Eコマースを通じた被災地の産物を広く流通させるしくみをスタート。2012年には、宮城県石巻市に<石巻復興ベース>という拠点を構えました。社員が被災地に常駐することで実際に現地でできることを暮らしながらリサーチするものです。2013年には<ツール・ド・東北>という復興支援のサイクリングイベントを河北新報社と共催で始めました。10年続けるイベントにしようとスタートし、毎年4,000人もの参加者を迎える人気のイベントに成長(現在はコロナ禍で開催を中断)。サイクリングイベントとして定着しつつあり、今後は地元に運営等々を引き渡せればと考えています」 「LINEとの共同企画で検索窓に311入れると、寄付につながる企画を2014年に始めました(現在も継続中)。キーワードを入れて検索するというのは、検索した人にとって自分事になっていくということでもありま… 続きを読む »SONG OF THE EARTH 311 -FUKUSHIMA 2022-レポート 後編

2022年SOTE311福島前半レポート

SONG OF THE EARTH 311 -FUKUSHIMA 2022-レポート 前編

REPORT 2022年SOTE311福島前半レポート 「悲しみから喜びへ」をテーマに5年前から福島県内で開催しているSONG OF THE EARTH 311 -FUKUSHIMA 2022-。ナショナルトレーニングセンター Jヴィレッジを主な会場として、東日本大震災・原子力災害伝承館(以下、伝承館)とも連動し、集いの場を設けることができました。今年は3月10日から3日間にわたり開催、前半の様子をレポートします。 3月10日 キオクツナグミライ、浮かんだ文字 3月10日は伝承館において夕方からCANDLE 11thを開催しました。伝承館は、一昨年オープンした津波と原発事故という人類が経験したことがない複合災害を後世に伝える施設です。建物のテラスからは海をすぐ近くに望むことができる、そんな立地にあります。 夕方、LOVE FOR NIPPONのメンバーを中心に外の芝生広場にキャンドルが並べ始められました。キャンドルは、CANDLE JUNE作のキャンドルと福島県内を中心に各地から集まったメッセージキャンドルのふたつがあります。将来の夢、いま感じていること、灯したい思いを自由に書いていただいています。今回は日本キャンドル協会にも協力いただき、全国各地からも多くのメッセージが集まり、約2,000本のキャンドルを灯しました。 夜が濃くなっていくと、キャンドルの小さな炎がちらちらと輝きを増していきました。たくさんのメッセージキャンドルが形取った文字は「キオクツナグミライ」。無数の願いが空高くのぼっていくようでした。 3月11日 12年目の始まり、ここから一年を 3月11日は音楽や食事やワークショップなど催しを楽しみながら集うお祭り、フェスティバルです。ステージには福島に心を寄せるミュージシャンやパフォーマーが集結、フードコートには福島の名産やLOVE FOR NIPPONとともに長年活動する店も軒を連ねました。屋外会場では凧あげやダルマ引き合戦といった、地域で古くから行われてきた伝統行事もプラス。笑顔が溢れるしかけが満載です。 11日朝。開場の10時前にはすでに来場者の姿がありました。毎年SONG OF THE EARTHを楽しみにしている人、初めて来た人、この日のために休暇を取った人、それぞれの思いで集まってくれています。不思議と3月11日は毎年晴天。今年も早朝から青空… 続きを読む »SONG OF THE EARTH 311 -FUKUSHIMA 2022-レポート 前編

12/11(土)SOTEシンポジウム開催報告

REPORT ラブフォーニッポンなみなさまへ 現地活動報告をさせてください SOTEシンポジウム 第7回目となるSOTEシンポジウム郡山会場が 無事に終了いたしましたことをご報告させていただきます。 会場は、多目的ホールの「ビックパレットふくしま」です。 数千人を収容できる大きな建物でもあるため、 ここは10年前の東日本大震災の際に、大規模な避難所となっていました。 現在は、コンサートや見本市、会議など各種さまざまなイベントが日々開かれています。 さて、今年春から始まったSOTEシンポジウムも郡山会場が最終回となります。 締めくくりともいえる回のテーマは、「SDGsから見る福島の復興」です。 福島県内を中心に30名の方にご参加いただきました。 会場では手の消毒、マスクの着用、 ソーシャルディスタンスを徹底し新型コロナウイルス感染拡大防止に努めました。 —————————————————————————————— SOTE シンポジウム福島ラウンド会場(郡山) 2021年12月11日 13:00 開会 13:05 CANDLE JUNEあいさつ 13:30 基調講演①「なにを守るために、何を変えるのか」 株式会社風と土と 代表取締役 阿部裕志様(リモート出演) 13:50 基調講演②「新たな福島県総合計画とSDGsについて」福島県企画調整部長 橘清司様 14:15 テーブルトーク    3つのテーブルに分かれ簡単な自己紹介と講演を聞いた感想などをトーク 15:00 休憩 15:10 トータルセッショントーク、各テーブルのグラレコ発表、トークセッション 16:10 全体グラフィックレコーディングからのふりかえり 16:20 振り返りを見ての感想 16:30 まとめ 17:00 終了 基調講演① 「なにを守るために、何を変えるのか」  株式会社風と土と 代表取締役 阿部裕志 様 阿部裕志さんが住む島根県海士町(あまちょう)は、隠岐諸島のひとつ、中ノ島にあります。 かつては人口減少、少子高齢、財政危機に喘いでいた町でした。 しかし一転、いまでは若者のIターン増で活性化した町として注目を集めています。 阿部さんは海士町に2008年に移住し、起業。地域活性に尽力されてきました。 社名でもある風と土。風は風の人=よそ者、そして土は土の人=地元を表しており、 ともに手を携えて風土… 続きを読む »12/11(土)SOTEシンポジウム開催報告

11/13(土)SOTEシンポジウム開催報告

REPORT ラブフォーニッポンなみなさまへ 現地活動報告をさせて下さい SOTE シンポジウム 2021 第6回福島・伝承館会場 第6回目となるSOTEシンポジウム福島会場が無事に終了しました 今回は、東日本大震災・原子力災害伝承館(以下、伝承館)を会場とさせていただきました 伝承館では、今年3月に凧揚げやキャンドルナイトなどの追悼イベントを共催するなどしていました。 参加者はシンポジウム前に、 それぞれ伝承館を見学し、会場では手の消毒とマスク着用、 ソーシャルディスタンスを徹底し新型コロナウイルス感染拡大防止に努めました。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー SOTE シンポジウム伝承館 2021年11月13日(土) 13:05  開会 LFN代表あいさつ 13:20  東日本大震災・原子力災害伝承館 副館長小林様ごあいさつ 13:30  いわき語り部の会 大谷慶一会長のおはなし 13:45  テーブルトーク 3つのテーブルに分かれそれぞれの自己紹介と語り部の話を聞いた感想など 14:30  休憩 14:40  トータルセッショントーク。各テーブルのグラフィッカー報告 14:50  2つのテーブルにわかれてトーク 10年間で伝えてきたこと(福島県)伝わってきたこと(県外) 15:40  グラフィックレコーディングからのふりかえり 15:50  閉会 あいさつ 今回は、伝承館での開催ということもあり、「伝える」というのが大きなテーマになりました 伝承館は、海の近くに建っています。 最上階のテラスに上がると、海を望める近さです。周辺にはあまり建物がありません。 伝承館副館長小林さんのお話 「東日本大震災・原子力災害伝承館は、2020年に開館いたしました。 原子力災害伝承館、 そうした役割はここを最後にしなくてはならないと思っています。 災害は昨今、忘れた頃に…ではなく、 忘れないうちにすぐにやってくるという状況になっています。 原発規制区域にご自宅がある方々は、 今も自宅に入るときにはタイベックスーツを着て、手袋をはめて向かいます。 家の中の物は、袋ひとつ分だけようやく持ち帰られる、そんなことが続いています。 当館は一昨日、来場者数累計が8万人を突破いたしました。 県内外から多くの方にご来場いただいています。 未曾有の複合災害を知ってもらう、この地に訪れて… 続きを読む »11/13(土)SOTEシンポジウム開催報告

10/16(土)SOTEシンポジウム開催報告、10/17(日)リンゴスタープロジェクトレポート

REPORT ラブフォーニッポン なみなさまへ 現地活動報告をさせてください 今回はラブフォーニッポンのプレス担当須藤が SOTEシンポジウムやリンゴスタープロジェクトに 自ら参加したことから上がってきたレポートです ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー SOTE シンポジウム 2021 第5回長野会場 活動報告 2019年10月12日の台風19号による被害から、ちょうど2年が経ちます。 千曲川やその支流が氾濫し、住宅や農地に土砂が流れ込みました。 長野県内では過去最大となった水害です。 LOVE FOR NIPPONも、 りんご畑の土砂を掻き出すなど復旧活動に尽力しました。 復旧後もりんごの収穫など農家さんとのつながりは続いています。 長野会場では、災害体験からの復興、 そして生産業・観光についてディスカッションしました。 今回は「ライジング・フィールド軽井沢」が会場となりました。 ライジング・フィールドは、電源やWi-Fiを完備し、 いち早く「ワーケーション」の普及に力を入れてきたキャンプ場です。 外で遊ぶ子供たちを窓越しに見ながらディスカッション… そんな心地よい環境の中での開催となりました。 SOTE シンポジウム長野会場 2021年10月16日(土) 13:00 開会挨拶 LFN代表 CANDLE JUNE 13:20 基調講演 長野県須坂市長 三木正夫様(20分) 13:45 テーブルトーク テーマ「災害復興〜台風被害からのまちづくり、生産業と観光など〜」 14:30 休憩 14:40 全体セッショントーク 15:20 トークのふりかえりとまとめ 15:30 閉会挨拶 15:50 終了 長野会場では、2年前の台風被害の際に災害対策の先頭におられた 三木正夫氏(須坂市長)の基調講演から始まりました。 千曲川に接する須坂市は、台風によって甚大な被害に見舞われた地域です。 各地から多くの支援や励ましを受けたことに対し、 「応援や支援というのは、いかに被災者を力づけることになるか。 とても大きな力になります」と、 物質的なことはもとより、心の支えになると仰っていたのが印象的でした。 本当の痛みに寄り添う支援をしていきたい、とも。 「どんな災害に遭ったとしても、最後には自分の住む町に帰りたいんです。 その気持ちには強いものがある」と、 被害に… 続きを読む »10/16(土)SOTEシンポジウム開催報告、10/17(日)リンゴスタープロジェクトレポート

9/11(土)SOTEシンポジウム開催報告

REPORT ラブフォーニッポン なみなさまへ 活動報告をさせてください 【SOTE シンポジウム 2021 第4回福島会場 活動報告】 第4回目となるSOTEシンポジウム福島会場が無事に終了いたしましたことをご報告させていただきます。 今回も実のこもった、忌憚のないディスカッションがされました。 新型コロナウイルス感染対策にともなう緊急事態宣言の発出を受け、 福島会場のスタッフは最小限の人員に留めました (※東京から現地入りしたスタッフは事前に抗原検査を行い、陰性を確認したのちに移動いたしました) また、大半の参加者はリモート参加となり、 現地会場ではソーシャルディスタンスと指先の消毒を徹底し、感染予防に努めました。 福島会場は、「おたがいさま」という、 わたくしたちが普段から口にする自分と相手の双方を思いやるこの言葉をテーマにしていきました。 参加者が感じた「おたがいさま」の場面をそれぞれ話し、 考えを深めていくことにしました。 高校生・大学生から社会人まで21名の方々にご参加いただきました。 今回の基調講演は、アポロガス会長の篠木雄司さんにご登場いただきました。 アポロガスは1971年創業、福島市に本社を置く地元企業です。 LPガスや灯油、電気を販売するいわばエネルギー販売を生業としています。 篠木さんは2007年に3代目社長に就任。 新入社員の「ラジオDJ研修」などユニークな人材育成を行い、地域に根ざした人づくりを推進しました。 現在は、会長の職に就きながら、社内の「元気エネルギー供給本部長」を兼任されています。 基調講演でもコップと水を使った実験を行うなど、とても興味深いお話しをしていただきました。 基調講演の後は、3つのテーブルに分かれテーブルトークに入りました。 まずはひとりずつ自己紹介と、それぞれが体験した「おたがいさま」のエピソードを紹介。 実際に災害のときにあったできごとや、感じたこと、 また普段の生活でのおたがいさま、さまざまな話しが語られました。 被災・避難における「おがたいさま」。 東日本大震災で福島県は、これまで誰も経験したことのないたいへん大きなダメージを受けました。 そして、多くの支援が全国から集まりました。 実際に支援を受けると、いつか「恩返ししたい」という気持ちが強くなったといいます。 福島県以外の他の地域で災害があった際は、 … 続きを読む »9/11(土)SOTEシンポジウム開催報告

6/19(土)SOTEシンポジウム開催報告

REPORT ラブフォーニッポン なみなさまへ 活動報告をさせてください 今年の3月12日からスタートしたSOTEシンポジウムも この春から福島で4会場、渋谷、熊本、長野と県外でも開催を予定していましたが コロナウイルスの影響からリモート開催となっています 6/19は渋谷会場での開催を検討しておりましたが 緊急事態宣言下なので今回もリモート開催とさせていただきました 一般公開はできませんが 後日配信などを検討しております 渋谷でのテーマは「防災、これからのまちづくり」としました オリンピックをひかえた東京都ですが コロナのことがここ2年近くメインの話題となっています それ以前にはオリンピック開催予定地として 日本、そして東京はどうなのだろうか?と話題になっていたと思います 余震が続くなどの地震災害、放射線量の有無や風評など 311関係の問題点もありました また世界各地で発生するテロという危険や気温の問題など 様々な課題にたいしてどう向き合うべきか?議論されていました それはきっと311以降の10年のあゆみとも近いものであったと思います 「復興」という言葉とオリンピック誘致もよく結び付けられていました オリンピックについてこの場で何か意見をというつもりではないのですが ただ、日本人が向き合い 解決していかなければいけない、諸問題の締め切りを もらっていたというように私は思っていました オリンピックがなかったとしたら その締め切りがない分、今よりももっと 喉元過ぎれば的な雰囲気にもなっただろうし 世界中のメディアがここまで日本に注目しなかったと思います ただ だからといって 問題点を隠してみたり、嘘をつくような方向性にむかうことは とってもよくないことだと思いますし 問題点を挙げることのみで終わることも 目的に達するわけではないので結果としては意味がありません ここまでやんわり表現してきましたが 311直後には多くの方々から「原発反対!」という声を聞きましたが 現実は止まっていた原発をまた再稼働する動きに向かっていたり 原発事故に関しての緊急事態宣言は解かれているわけではないのに モニタリングポストが撤去されつつある状態です 私は311以降 原発反対運動というアクションをやめました 反対の気持ちはあります ですがその気持ちを声にするのではなく なぜ反対したいのか?そし… 続きを読む »6/19(土)SOTEシンポジウム開催報告

5/29(土)SOTEシンポジウム開催報告

REPORT ラブフォーニッポン なみなさまへ 活動報告をさせてください 10年を迎えた311から歩みを止めることなく活動をと考えていましたが コロナウイルスの影響からさまざまな場所での活動制限が発生しています 今年からスタートしたSOTEシンポジウムも この春から福島で4会場、渋谷、熊本、長野と県外でも開催を予定していましたが 最初の会場である会津でもコロナ感染が増えてきてしまい 現地開催が厳しくなりました とはいえこの先も続くであろう緊急事態などを考えると 中止することなく、なんとか開催できないだろうかと検討した結果 リモート開催としました この変更にご協賛くださる企業のみなさまも 基調講演やテーブル参加のみなさまもポジティブな選択と、とらえていただき むしろリモートのほうが参加しやすいし、新しい可能性があるのではないかとなりました SOTEシンポジウムは これからも毎年3月11日に福島で開催していきたいのですが この日にだけの開催では、3月11日を「振り返ること」や「忘れてはいけない!」といった話だけになりがちで 「じゃあどうするのか?!」とアクションのひろがりや その後の様々な問題発生にも対処するものとはならないと感じています 311以降も各地で開催し、様々な立場の方々の知識や経験を集め、問題解決のための具体的な提案をつくっていき 来年の311に提案ができる SDGsアクションとしても有効的なアクションプランと成果を意識したシンポジウムに成長できるようにしたいと考えました 基調講演では 会津電力会長の佐藤さんにご出演いただきました 原発事故を受け、福島で自然エネルギーを!と先頭きっておこなってきていらっしゃる方です エネルギーをつくるだけではなく、地域で使う。 次のステージまで進んでいるアクションはとてもこれからのエネルギーとどう向き合うのかに可能性を感じさせてくれます 多くの福島県民が原発には反対であっても 地元の自然エネルギーに切り替えている人が少ない そんな問題意識もお話しくださいました 午後にはアクセンチュアの中村さんです 全国で最も進んでいると言われている会津若松市スマートシティ化を引っ張るリーダーです 震災からここまでのお話は、災害だけにかぎらず、どの地域でもこれからのまちづくり課題のお手本になるものだと思います 国や行政にたよったり、問題が発… 続きを読む »5/29(土)SOTEシンポジウム開催報告